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2013年3月

2013年3月24日 (日)

「辞めるか辞めないか」の主人公が見たもの

「辞めるか辞めないか」
 このエピソードを読んで痛感するのは、「ファクトベースのモノの考え方」の大切さです。

 世の中の争いごとの多くは、「主張が事実を踏まえていない」ことによって起きています。学校、職場、地域社会での話し合いが、自らの主張を通すため、いかに事実を踏み外してしまい、収拾がつかないものになってしまっているか。
「いま、事実はどうなっているのか」という確認からものごとを始める、トラブルの際に確認する。基本的なことですが、個人や集団のパフォーマンスのよしあしに大きく影響しています。しかし、それにあまり気づかれていないように思えてならないのです。

 もちろん、就活にも同じことが言えます。「事実は何なのか」を見ていないエントリーシートが非常に多い。逆に、事実を冷静に見つめて書いたエントリーシートは、その存在がとても光って見えるのです。

 しばらく、問題の「辞めるか辞めないか」を分析してみましょう。
 この書き手がどんな仕事に向き合って悩んでいるかは、書かれていません。広告関係、もしかしたらウェブ広告関係の媒体制作なのでしょうが、はっきりしたことはわかりません。

■先輩の顔色を見続けてしまう彼(彼女)
 彼(彼女)のつまづきは、最初の先輩とのやりとりから始まっている。
 最初にわからなかったことがあり、「まずこれは、どういう意味なのか」を尋ねた。
 すると先輩は、「思いっきりドン引きされ、信じられない!という顔を」した。
 先輩のそういう表情を読み取った彼(彼女)は、こう思う。
 
〈元からビビリのチキンである私は、まずいこと聞いた!やらかした!初日からおわた!と焦りまくる。〉

 しかし先輩は、結局は丁寧に教えてくれる。だが、彼(彼女)は、「何でこんなこともわからないんだ」という苛立ちを読み取る。

〈申し訳なさと恐怖で初日から完全に委縮してしまった。〉

 焦りまくる彼(彼女)。注意力の多くは、「自分が何をすべきか」ではなく、「先輩がどれだけ機嫌を損ねているか」に向かってしまっている。萎縮してしまったことで、先輩とのコミュニケーションの最初のボタンの掛け違いが起こる。これがのちのち、彼(彼女)のメンタルに大きな影響を与えることになる。

 しかし、完全にパニック状態になったわけではない。彼(彼女)は勇気を持って聞くのだが。

〈また時間を取らせてしまう申し訳なさと恐怖を持ちながら聞く。こわい。〉
〈またわからん。何を言ってるのかさっぱりわからん。そして超こわい。〉

■事実をつかむチャンスを逃す
 では、先輩はどうしようもなく意地悪な人物なのか。
 そうではなかった。問題解決の糸口を与えてくれている。

「ある程度はネットで調べてと言われたので、調べる。本も貸して頂き、数日その本を読んだり実践したりして、なんとなく基礎の基礎の基礎位は理解することが出来た、と思っていた。」

 この先輩のやり方が妥当かどうかについては別途分析する。
 彼(彼女)は、ここで、自分の仕事に体する方針を決める。

〈このままじゃ精神的にお互い疲れるだろうし、と思い必死でネットを彷徨い、あまり聞かずに作業する事を目標にした。〉

 自分ひとりで抱え込み、コミュニケーションしないことを選んでいる。
〈また時間を取らせてしまう申し訳なさ〉
〈このままじゃ精神的にお互い疲れるだろう〉
 という思いがポイントだ。

 だが、それは結局裏目に出てしまう。
「ある制作を一人で作り終えた所で、チェックをして頂いた。すさまじくボロクソに言われる。ゲロ吐きそうだった。」

続きます。

2013年3月21日 (木)

「辞めるか辞めないか」から就活を考える

今朝、私の周辺で話題になっていたはてなのブログがあります。

「辞めるか辞めないか」

書き手は、社長と社員ふたりの会社に、3人目として入社した新人。
デザインの仕事をやりたかった、と書いているので、広告制作会社か編集プロダクションか、その関連の仕事かと推測します。
メモを付箋に書いて机にべたべた貼っているのを怒られているので、おそらくデザインがらみの仕事なのでしょう。

書き手の彼(彼女)は、先輩との関係に悩んでいます。
自分が仕事ができない。先輩は理解の仕方に怒り、「何でそんなことを聞くんだ」と怒り、「自分はクズ人間だ」と絶望に沈む。

自分の仕事の何が悪いのかわからないうちに、追い詰められていくような感じ。
体力面でも精神面でも限界。
とにかく毎日泣いている。このままだと立ち上がれない。
仕事は続けたいが、迷惑だから今のうちに辞めるべきかも。

さて、こんな相談を受けたらどう答えますか。

私だったら、彼(彼女)に「今は辞めるな」とアドバイスするでしょう。

・本人を叱ってばかりいる「先輩」には確かに問題があるが、叱って伸ばすタイプである可能性もあるし、実はその先輩の能力が高くないから叱っている可能性もある。教えるということに関して初心者である可能性も大きい。そこを見極められないうちは、おそらく彼(彼女)は他に移っても同じことを繰り返す。

・何よりも、本人自身は正しい試行錯誤のプロセスを踏んでいる。おそらく、もう少しで答えが見えてくるだろう。

・制作物はおそらく「正解」はないもの(だから本人は苦しんでいる)だが、しかしできばえの良さ悪さの評価がありそうだ。クリエイティビティが問われるものの場合、絶対に必要な「要件」と、求められる「水準」がある。それが自分の目で見えるようになることが大切。

・外部の同業者や、一緒に仕事してくれる外注先の信頼できる人に教えを請い、客観的に評価してもらうのも早道。

・自他ともに評価できる成果物がなにかできれば、苦しい登山の末に眺望が開けるように、仕事の全体像と自分の実力、目指すべき水準がわかり、独り立ちで仕事ができるようになるだろう。

……実は、就活をはじめ、いま若い人が突き当たっている「限界」にはこの手の問題が実に多いのです。
「エントリーシートが通らない」という問題も、これに通じているともいえます。
例の「職業人問題」にも関連するので、少しこの問題を考えてみようと思います。

2013年3月15日 (金)

「どんな職業人になるか」をどう考えるか⑤その心は「コピペよけ」

「職業人とはなにか」というエントリーシートの出題で、ブログのアクセス数がものすごいことになった、というお話をしました。
ググってその結果を書いたとしても、まったく意味がありません。
この設問は「コピペよけ」だからです。

答えは、1000人応募者があったら1000通りあるのです。
仮に、同じ答えがあったら、「何かを写している」ことがバレバレです。
即座に落とされることうけあいです。
コピペされた方、残念でした。

就活生のほとんどが、職業人の経験はありません。
それが前提です。企業だってそのことはわかりきっているのです。

では、どんなことを書けばいいのか?
当たり前の話ですが、
「自分がいま、〈仕事とは何か〉についてどう考えるか」を書けばいいのです。

たとえば、アルバイトの経験が考えられますが、別に仕事でなくてもいいのです。
「自分がいままで経験してきた立場から、ものごとを見つめ、考える」力があることを伝えるべきですし、企業はそれを期待しています。

続きます。

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