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2012年3月

2012年3月27日 (火)

「あなたはどんな人ですか?」という「Q&Aのラリー」が続くのがベスト

「面接がうまく行きません」
という相談を、毎年受けています。

私のアドバイスはシンプルです。
「最初の質問で、面接官が何を聞いているのか、よく聞いて、理解してから答えてごらん」
これでたいてい、うまくいきます。

みんな、「第一印象が大切」と考えています。
だから、打てば響くような、はきはきした受け答えでなくてはいけない、と思っています。
違います。

みんな、「とにかく、自分のアピールすべきことを言わなきゃ」と考えています。
違います。

必要なことは、「聞かれたことをきちんと理解し、きちんと答えること」
これだけです。

私は就活生にこう言っています。
「まず、“相手は何を聞きたいのかな?”ということに注意を集中させること」
さらに、「なにかな、なにかな」と、相手の最初の一言が何なのかを「楽しみ」にするような気持ちで臨めたら、とてもいいですね。

最初の質問がうまく聞き取れなかったり、理解できなかったとしても、あわてない。
「質問がよくわからなかったら、“すみません、きちんとお答えしたいので、もう一度質問していただけますか”と言っていい。最初の1回ならば、十分許されます」

なぜなら面接とは、企業があなたという人間を「質問する」ことによって理解するという枠組みだからです。だから、「何を言うか」ではなく「何を聞かれたか」により神経を集中することで、よいコミュニケーションを成り立たせることができるのです。そうすれば、企業は、あなたのことをもっと知るための次の質問がしやすくなります。

この構造は、「初対面の人と、楽しい会話をする」スキルやテクニックと、実はほとんど変わりません。誰にでもできることなのです。

「Q&Aのラリー」を続けましょう。そして、それを楽しみましょう。

2012年3月18日 (日)

就活にもっとも求められる、しかしシンプルな能力とは?

就活で一番大切な「実力」とは何だと思いますか?
ちょっと考えてみてください。

「相手の質問をよく理解し、的確に答えること」
に尽きるかなあ。私はそう考えています。
これはエントリーシートでも、面接でも大切なスキルだと思います。

「そんなこと、当たり前じゃないの」
まさにそうなんですが、それがなかなかできない。

できない理由は簡単で、一言で言えば「思い込み」が邪魔しているんです。

思い込みで損をしている人のパターンは、大きく分けてふたつあります。
ひとつは、「自分が言わなければならない」ことばかりガチガチに考えていて、そればかり話そうとするために、相手の質問をちゃんと聞いて理解する余裕がないこと。

もうひとつは、相手の質問の内容に、こう答えればいいのだ、と「正解はこれだと思い込んで」、それ以上考えない。そこで、相手が期待しているような深まりが生まれない、ということです。

前者は面接、後者は面接とエントリーシートでよくある事例です。
ESにしても面接にしても、すべては「コミュニケーションがうまくいくかどうか」で決まります。
ここをよく考えるだけで、企業とのコミュニケーションの質はだんぜんよくなると私は考えています。

なぜそうなのか、これからちょっと掘り下げてみましょう。

2012年3月16日 (金)

「絶対評価のエントリーシート」を作る、PDCAサイクル

■相対評価の典型的なもの言いとは
いままでも何度か触れていますが、就活生のエントリーシートを添削していて気がつくのは、自己PRのアピールの掘り下げが弱いということです。
「○○という立場で、××をなしとげました」
だいたい、ここまでどまりです。するとどうしても、「××」の成果にこだわってしまう。
「相対評価のとりこになる」とは、こういうことです。

■「考えをつないでいく」ことが、絶対評価を作り上げる
エントリーシートを「絶対評価」で作り上げるコツをお教えしましょう。
「PDCAサイクル」という考え方があります。

Plan……(計画)
Do……(実行)
Check……(評価)
Action……(改善)

工場での生産や営業活動など、事業全般でこの繰り返し(サイクル)をすることで、より質を高めていこうというものです。仕事の計画を立てて実行しっぱなしにせず、それを評価し、改善して次の計画、実行につなげる。連続性を意識し、考え抜くことで、仕事の質が向上するのです。

就活にもこの考え方をいろいろと応用できます。
まずエントリーシート。
Plan……(計画)、Do……(実行)は、「○○のように考えて、××をなしとげました」となります。これは今までも書いていましたね。

Check……(評価)「××をなしとげることで、△△ということを学びました」
         「●●を実行したことから、××につながったと考えています」
         「目標にしていた▲▲が達成できたと思っています」

Action……(改善)は少しアレンジ。「就職した自分はどうありたいか」を考えます。
         「その経験から、貴社では○×として貢献したいと考えています」
         「職業人として、▲△のようになりたいと思います」
         「×●のような人間になりたいです」

我慢してここまでつないでいくことができれば、説得力はかなり増すことになります。
もちろん、PDCAサイクルは就活全体に応用可能です。ある企業を受けることを考えれば、(OB訪問)、エントリーシート、面接の各段階でチェックを入れていけばいいですし、完全に自分の行動に対してチェックを入れることもできます。「自分が事業」「自分が商品」というわけなのです。

2012年3月 7日 (水)

絶対評価の自己分析術——びっくり!自己PRのポイントが変わる!

では、「絶対評価」の価値観で就活するとは、どういうことなのでしょうか。

■過去の「事実」で、自分を証明する
絶対評価とは、「生徒の成績を評価するにあたって、他の生徒の成績を考慮に入れず、生徒本人の成績そのもので評価」(wikipediaより)するものです。相対評価で行われている1〜5をつける通知表や偏差値と異なり、他人の成績は考慮に入れません。

そこで基準になるのは、「過去の自分」と「現在の自分」との間に、どれだけの「伸び」があったかです。これらの分析をしっかりと行い、土台を作った上に、「未来の自分」を立たせるのです。

では、エントリーシートや面接の自己アピールに落とし込むとどうなるでしょうか。

①「私は、Aということをやってきました」(過去の行動・努力)
②「その結果、Bという成果を得ることができました」(過去の成果)
③「そのように行動したのは、考え方Cに基づくものです」(現在振り返って考える、自分自身の行動原理・価値観)
④「貴社に入社した際には、Cに基づいて、Dのように行動し、貴社に貢献(あるいは仕事を通じて社会に貢献など)したいと考えています」(未来に、どのように考え行動できるか)

時間軸に沿って、「過去→現在→未来」の順に、自分の考え方や行動を位置づけていくのです。こうすれば、かなりの説得力がつきますし、面接でどんな質問が出ても答えられます。

■過去→現在→未来の時間の流れに自分を位置づける
この構造を作り上げていくなかで、やっていただきたいのは、「自分は何を考え」「どう行動したか」「それがどういう結果につながったか」という関係を徹底的に考えることです。私が就活生と面接して自己PRをはじめとするエントリーシートを作り上げる際に、繰り返し繰り返ししつこく聞くのがここの部分です。
たいていの就活生は、自分で一度やると安心してしまい、掘り下げが足りません。あるいは、「そんなこと、考えたことがない……」という人もいるかも知れませんが、私の経験では、ここが空っぽだった人はいません。大丈夫です。とにかく全ての方向から考え、徹底的に掘り下げます。わからなかったら、友人や身近な大人などに聞いてみるのも手です。

そんな作業を経て、「過去→現在→未来」という時間軸の中で、
「自分の行動」(過去の事実)
「自分の成果」(過去の事実)
「自分の行動原理や性格的特長」(現在の視点で自己を分析、座標を明らかに)
「その企業で、職業人としてどう貢献するか」(未来にあるべき自分)

をシンプルにまとめます。「座標」を打つのです。ESや自己PRでは、これらを順を追って書き、話せばいいわけです。

■自己PRの価値観が変わる、驚きの体験
このような作業を行うと、気がつくことがあります。
いままでの自己分析やESのアピールでは、

①「私は、Aということをやってきました」(過去の行動・努力)
②「その結果、Bという成果を得ることができました」(過去の成果)

が一番大切だと思っていたのではありませんか。たとえば、Bを大きく見せようとして、実際よりもさらに成果が上がったようにアピールしてしまう「盛る」という行動原理は、まさに成果にとらわれた考え方です。
しかし、大切なのはむしろこちらなのだということがわかると思います。

③「そのように行動したのは、考え方Cに基づくものです」(現在振り返って考える、自分自身の行動原理・価値観)
④「貴社に入社した際には、Cに基づいて、Dのように行動し、貴社に貢献(あるいは仕事を通じて社会に貢献など)したいと考えています」(未来に、どのように考え行動できるか)

企業は、実は採用した学生がCやDについてどう力を発揮できるかを期待しています。面接では、ESに書かれているC、Dを検証しようという姿勢でいると考えるべきです。つまり企業も「絶対評価」の考え方で臨んでいるのです。
Bの成果にとらわれていると、失敗します。また、「AやBに見るべきものがないから自分はだめだ」という考え方はあたらないのです。

まだまだ、掘り起こせる自分の魅力はあるんですよ。

次回は、この「過去→現在→未来」のサイクルを、別の角度から検証するやり方をお伝えします。

2012年3月 6日 (火)

就活生が陥る大きな勘違いについて——相対評価と絶対評価

先ほどの質問に触発されて考えたことを書きます。

就活生諸君と話していると、たいていは、大きな勘違いをしています。
この認識を改めないと、けっこう苦労することになります。

要は、エントリーシートが何のためにあるのか、という目的の問題です。
たいていの就活生はこう考えています。

「エントリーシートは、大学生活の成果を企業にPRするためにある」

だから、一生懸命、大学生活での「成果」を書こうと努力します。
足りないと思うと、成果を水増しして「盛る」ことをしたり、存在しない事実を捏造してしまう。
自分が人付き合いが下手だと自覚していたり、ゼミやバイトの経験がないと、書くことがないからもうだめだと絶望する。
以前、「ES同一病」と指摘したことがありますが、みんながそう考えて、もがけばもがくほど、エントリーシートは似通ってしまうのです。競争しているつもりなのに、書いたものは競争からどんどん外れていきます。

ありもしない「正解」があると勝手に決めて、それに合わせようと必死になる。
だから、疲れ果ててしまうのです。

こう考えているうちは、内定は遠いと言ってしまってよいだろうと私は思います。

企業の側から見れば、エントリーシートで就活生が必死になってアピールしている「成果」は、とるに足らないことばかりです。「ゼミで一番をとった」と書いてあったとしても、それを他の就活生と比べて上か下かなんて判断できないからです。

就活生のほとんどの考え方は、ライバルの中から自分がいかに抜きんでるか、つまり、クラスの中で「5」を取るという考え方です。企業のモノサシ、あるいは正解に自分を合わせようとする「相対評価」になってしまっているのです。

しかし、就活は「絶対評価」なのです。
企業が見たいのは、その学生がどういう人間なのか、共に働く部下やパートナーとしてよさそうか、入社後、どのくらい伸びそうか、ということを見ています。つまり、就活生が自分の中にどんな「ものさし」を持って働こうとしているのかがポイントなのです。

企業で長く人事をやってきた私の知人は、
「エントリーシートを見て、『この学生はこういう人物』という仮設を立てる。それを検証する場が面接だ」
と言っています。面接官がこんな態度で臨んでいるならば、成果を強調しても意味がないことはわかりますね。
結局のところありのままの自分を見せるしかないのです。今の自分がどうしてできあがり、さらに将来の自分の可能性をどう考えているかを見せる。これは「絶対評価」ですよね。

このシンプルな目的に向かうために、エントリーシートを練らなければならないのです。

2012年3月 4日 (日)

Q1:高校時代のことは書いていいの?

さっそくメールでご質問をいただきました。

「エントリーシートに高校時代のことを書きたいのですが、いいのでしょうか?あまり前のことを書くと不利になるような気がして、悩んでいます」

基本的には、大学での出来事に絞ったほうがいいと思われます。
理由は、企業がESで見たいのは「どんな結果を出したか」ではないからです。
「取り組みの中で何を学び、考え、それが今後の職業人との姿勢にどうつながるのか」
問われるのは、「プロセス」であり、「いま、どう考えているか」という、職業に向かう態度なので、なるべく最近の経験や考えを書くべき、ということになります。

しかし、以上のようなことを伝えるために必要あるいは効果的、と考えられる場合は、高校時代のことを書いてもいい、ということになります。

たとえば、以下のような場合です。
①学びや部活・スポーツなど、高校時代の出来事が、現在のあなたのあり方に通じている場合
 高校時代の取り組みが、大学で続けられ、深められている場合
(例・高校時代からやっているスポーツや学習テーマ)
 高校時代のあるきっかけが、大学での学びや活動に結びついている場合
(例・高校時代の経験から、大学での専攻を決め、学びを深めている)

②高校時代に顕著な実績を上げた場合
 スポーツで、割合に指標がわかりやすい大会で上位入賞を果たしている
 文化部などの受賞経験

 ただし、これらは必ず「現在の視点」を加味することが必要です。その経験や実績が、大学の学業や部活、生活にどのように反映され、どう深めたか、という観点が「絶対に」必要です。
 「○○で優勝しました」だけでは、今はだめなのです。

 かつては、スポーツ関係で高校で優秀な実績を挙げた人は、おそらく企業の戦力になるだろう、程度の理由で採用されやすかったのですが、採用数を絞っている現在、要求される水準は高くなっており、「そこから何を得て、大学ではどのように活かしたか」「仕事にどう活かせるか」というように深めないとなかなか突破できないようです。

高校時代のことを書く場合には、「現在とのつながり」、そして「未来への展開」を必ず意識するようにしてください。

2012年3月 2日 (金)

ご質問を受け付けます

お疲れさまです。

エントリーシートを書く上で、どこに注意を絞って自分を見つめ、考え、表現するか
(情報の収集→整理→表現)
について、お話してきました。

とりあえず一区切りつきましたので、このブログをご覧になっているみなさんからのご質問を受けたいと思います。
このブログは、どこかにリンクを張ったりするなどの宣伝を全くしていません。時折更新すると私がtwitterでつぶやくぐらいです。ですから、みなさんはほぼ検索でここにたどりついているものと思います。少しはお役に立てているでしょうか?

何でも結構ですからコメント欄、あるいは右のフレームにある「メール送信」からメールをお寄せください。可能な限りお答えしたいと思います。
お答えの方法は、直接のメール、コメント欄での返答、あるいは新しいエントリを立てての返答と、適宜組み合わせたいと思いますが、なるべくみなさんが問題意識を共有して議論できるような形にできたらなと考えています。

一点だけ申し上げます。
私は就活生諸君のアドバイスを仕事にしておりません。すべて無償で行っております。
ですから、最近よくあるという有料セミナーへの勧誘などは一切ありませんのでご安心ください。
ただし、仕事が忙しい際にはすぐお答えができないことも間々あるので、その点お含みおきください。

高瀬文人

これが、「通るエントリーシート」だ!(「通るエントリーシートを書く⑧総まとめ」)

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それでは、エントリーシートの書き方についての最終まとめをしたいと思います。
以前もお見せした「図」を完成させましょう。

①『自分は何者なのか』を掘り下げる
この青い逆三角形を作り上げる作業は、
「このような経験をして、そこからこういうことを学んできた私は、こういう人間です」
ここまでをきちんと押さえることで、自分の「座標」を示すのです。
図では、逆三角形の「頂点」というかたちで、それを表しています。
それほど絞り込むべきだ、ということです。

②『自分はどんな職業人となるか』を積み上げていく
「自分が何者なのか」、青い逆三角形ができあがったら、今度は、そこからの積み上げを始めます。これが、ESでは「自己PR」「志望動機」に当たる部分です。
「①に表した経験は、あなたにとってどんな糧になり」
「あなたはどういう職業人となるのか」
今度は、「自分の座標」から、職業人として自分がどのように展開できるかを展望します。

③志望動機の「核心」は何か?
そうやって積み上げてきた三角形のてっぺんに入るべきは、このメッセージです。
「あなたはなぜその会社で働きたいのか。そしてどのように働けるのか」

これが、「エントリーシートに必要なワンセット」です。
てっぺんの赤い部分は、逆三角形よりも高いところに位置づけられています。
逆三角形の高さが、今のあなたの等身大だとすると、赤い部分は、
「今の自分よりも、さらに『高いところ』を目指す」
という意味にとらえてください。ここからは想像力を働かせ、今よりも高いところにいる、
「その企業で働く自分」について書くのです。

それが完成したとき、あなたのエントリーシートは「通るエントリーシート」になっているはずです。

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