第70号:インテリジェンス能力の欠如した「サヨク」の、本当の落日がきた
先週から以下のような説が、安倍新政権に反対の立場をとる人たちの間で流布されている。それは政治評論家森田実のHPから始まったようで、人気ブログ「きっこの日記」に載ってから、メールでも伝わるようになり、さらに速度は増幅した。私のところにも、ある憲法学者からの同報メールでこのurlがやってきた。
http://www.pluto.dti.ne.jp/%7Emor97512/C02758.HTML
……アメリカのネオコン系シンクタンクが安倍、元民主党党首の前原誠司、防衛庁、外務省の高官、公使経験者の親アメリカの民間人を集めて会議を開いた。そこで米側から指示されたのが、「次の2年間の日本操縦プラン」であり、そのための内閣の人選だ。防衛庁長官に前原を据え、前原は民主党を割るかも知れない。
今回の狙いは、「日本を中国にぶつけて少しずつ戦争に引きずり込むスケジュール」を作ることになる。アメリカは景気浮揚策として戦争がしたい。だから2001年の「9.11」の米中枢テロ事件を自ら仕掛け、アフガニスタン爆撃、イラク戦争を行った。次はどこにしようかなって感覚です。そうすると、日本はもう60年も戦争をさせていないから、「そろそろいいんじゃないか」。そこで日本国内に、反中国プロパガンダが行われている。……
「きっこの日記」では、日本国内に、死者をともなうテロを米軍と自衛隊で自演し、北朝鮮によるものとして国民感情を煽り、日本を準戦時体制にする計画がある、と、よりセンセーショナルな情報が付け加えられている。
本当だろうか。
森田実のHPの内容は、全面的に船井幸雄・副島隆彦『昭和史からの警告−戦争への道を阻(はば)め』という本の孫引きになっている。そこに森田の論評は入っていない。引用されている記述を読むと、副島も会議の内容までつかんでいない。核心部分はこうである。
〈話し合われた具体的な内容までは、私のところにも十分には届きませんが、日本を中国にぶつけて少しずつ戦争に引きずり込むスケジュールが、ここでも話し合われたことでしょう。〉アメリカが戦争をしたいというくだりは〈私がいつも言うように、〉と持論を述べているだけである。これを受けた森田の記述も、〈前原が防衛庁長官にという噂が〉〈こうした日本の政治の配置を指揮しているのは米国政府であろう。〉と推測しかしていない。
つまり、ファクトは入っていない。
ここから何らかの信憑性ある情報をつかむのはムリである。
この説をどう解釈するのか? 情報を受け取った人間のインテリジェンス能力が問われるということになる。
この情報に触れて事を起こそうとするなら、すべきことは情報を分析し、その結果を事実の裏付けをもって伝え、それに対抗する戦略を練り、組織化をはかるということではないのか。
それができる、すべき立場にある人間が、情報の「垂れ流し」しかしていない。「北朝鮮の脅威をあおるのは間違いだ」とする人たちが、自らが批判する、まったく同じことをしているのだ。これでは安倍政権とその流れにカウンターを当てるのはムリである。
先に紹介した憲法学者のHPには、こう書いてある。
〈安倍は首相になるいま、1年前のこの会合で何を話し合ったのかを明らかにする義務があるだろう。〉
いや、これだけでは説明する義務はないと思うよ。
「インテリジェンス能力」。言い換えれば、「自分で情報を得、整理し分析し、その結果を表現する」というあたりまえの訓練ができていない。正確に言えば教えられていない。「市民記者」がかかえる問題も、つまるところそこにあるのではないかと私は思う。
たぶん、続く。







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