January 12, 2010

運 勢

正月倒れていたので、今ごろ初詣である。
鎌倉の鶴岡八幡宮に出かけた。
松の内も過ぎて、境内の露店はだいぶ撤収していたが、それでも石段では階段規制が行われていた。

参拝後、おみくじを引いたところ、十四番であった。
受け取ると、以下のようなお告げが。

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GRD2

実はこれはすでに当たっている。
駅から雪の下の参道を歩いているとき、ひょんなことから過去の仕事上の諍いを思い出し、

「○○の野郎、ただじゃおかねえ」
と憎しみをつのらせていたのであった。
ずばりと指摘されている。

そして、私の一番の関心事である「事業」を見ると……

Rimg0047

「……」
帰ってから「鶴岡八幡宮のおみくじはどれほど厳しいか」ググってしまう、気の弱い私なのであった。

ところが。さっきD300で撮影した写真をMacに転送しようとカードリーダーに接続したところ。jpegファイルがすべて消失してファイル構造がおかしくなっており、変なエイリアスファイルしか残っていないという事態が発生した。

がっくり。
「凶」パワーはすでに発動しているのである。

January 06, 2010

治りました

結局5日間倒れておりましたか。
ただいま通常営業しております。
ご心配いただきました方々に御礼申し上げます。
今年もよろしくお願いいたします。

原稿締切が迫っているので、このへんで失礼します。

January 01, 2010

明けまして胃腸炎

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下痢。
頭痛。
のどの痛み。
そして38度以上の発熱。

こりゃインフルっぽいな、と思ったのが30日の夕方前。
風邪ではなく、いままでインフルにかかったときの症状と悪化のスピードの速さが似ている。
地元江東区の電話相談は年末年始の休みに入っていて留守電が応答するだけなので、都の相談窓口に電話して休日診療所を三ヶ所教えてもらう。
最初に電話した江東区の診療所は話し中でつながらない。おそらく混んでいるのだろう。中央区久松町にある「日本橋休日応急診療所」が、「今なら落ち着いていますよ」ということで、タクシーで出かける。

先客に若い女性がひとりいて、A型確定のようだった。タミフルを飲んで授乳していいかどうか、年配の小柄な女性医師が製薬会社に問い合わせていた。
私の番になる。喉を見て、胸の音を聞いて、ベッドに寝て腹部の触診。
左側の、胃の下側あたりを触られる。「痛いですか?」
「痛いです」
「ウィルス性の胃腸炎ですね。流行ってるんですよ。腸が炎症を起こしてるのね。右のほうが痛いと盲腸を疑わなくちゃならないんだけどね」
あっという間に診断確定。

例年正月は私の実家に帰るのだけれど、伝染の可能性があるというのと、下痢が続いているので中止にする。
食事制限も言い渡され、正月はお粥とうどんで過ごすことになった。
でもね、体重落ちないんですよ。

年明け早々にお約束の入っている皆様、
おそらく大丈夫だと思います。
まずかったらご連絡いたします。

年賀状はこれからです。

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December 24, 2009

Christmas Songs

iPhone/iPod touch用のアプリ「TOKYO FM」。
ネットラジオだが、ポッドキャストと違って、本放送と同じものを聞くことができる。
聴取エリアが、ほぼ電波が届くところに限られている。IPアドレスで識別するのだろうか。放送免許や広告などの「大人の理由」なのだろうが、栃木県南部でも電波が届くのでエリアに入れてほしい。そうしたら正月帰省したときにも聞くことができる。

朝、ダウンロードして国会図書館に出かけた。
仕事が終わり、歩きながら聞き始めると、これがなかなかよい。永田町を歩いているときにはちょうど鳩山首相の会見が流れたし。
残念なのは、iPhoneがマルチタスクに対応していないため、メーラーなど動かすときには一旦切らなくてはならないこと。Android対応のアプリを作ったとしたら、バックグラウンドで動かすことが可能になりそうだ。ただ、切るときにはぶちっと切れるのではなく、すっとフェイドアウトするように作られているのは好感触。

今日は24日なので、クリスマスソングばかり。頭の中にどっと流し込まれた影響で、それらしい写真を撮ってみたくなった。

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日比谷、GRD2
石垣にイルミネーションが施してあるのに驚く。

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日比谷、GRD2
なんか、「未来世紀ブラジル」に出てくる「情報省」っぽいイメージ。

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銀座、GRD2
三愛ビルにあるリコーのギャラリー「RING CUBE」で、写真展「Secret 心で感じる写真展」を見る。30人の写真家が、名前を明かさずに出品し、観客は気に入った写真を購入することができる。申し込んだ段階では誰の写真かわからず、写真展終了後はじめて知らされる。チャリティー写真展として、写真を「買う」ということに一般の人を誘うこころみとして、興味深いチャレンジ。28日まで。

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三越前、GRD2
キジ丼とビールを引っかける。クリスマス・ディナーということで(笑)。
手ぶれ写真が多くなってくる。

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三越前、GRD2

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日本橋人形町、GRD2
ま、最後はちょっとビターな写真で締めよう。

December 22, 2009

日本法のすべてが、iPhoneで!『パーフェクト六法』の衝撃

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府中市美術館、GRD2

面白いiPhoneアプリがリリースされた。

その名は『パーフェクト六法』。
日本法を網羅した唯一のネットソースであるといえる、総務省「法令データ提供システム」にアクセスしてそこから条文をダウンロードしてブラウザするアプリだ。

法律の数はいくつあるのだろうか?
前のエントリで触れた「法律を改正するための法律」を勘定に入れるかどうかなど、数え方によってまったく異なるのだが、一般に8000件ぐらいと言われている。
『パーフェクト六法』は、ソースの「法令データ提供システム」がほぼ全ての法律をカバーしているのと、それに加えて最新の法改正も比較的早く反映されるというのがウリだ。いわゆる「業法」など、いままでの一般的な六法全書に含まれない法令を扱うことが多かった企業法務担当者や弁護士にとっては、たいへんな福音である。

早速ダウンロードして触った感想だが、
・民法や会社法など規模の大きな法令はデータ量も大きくなるため、試しにwi-fiを切って落としてみたが、ダウンロードにはそれほどストレスを感じない。
・App Storeのレビューでは「落ちた」というものがあるが、私の3GS環境では、途中で落ちるような不具合は今のところない。しかし3Gでは重たいだろうと思わされる。これは元データの重さによる。
・一度アクセスした条文はiPhone内に保存され、再び使うときにダウンロードしなくてすむのはよい。
・再起動した際に直前まで見ていた条文がワンタッチで参照できたり、条文にしおりが付けられる、つまりタグ付けができるとよいのだが、これはソースをいじらなければならないため、難しいのだろう。

総務省「法令データ提供システム」は、裁判所規則などの最高裁所管の規則類は含まれていない。だから、そこは裁判所ウェブに飛んで補完するように作られているが、インターフェースに違和感を生じる。しかし、ソースデータを自分でもたないこのアプリでは仕方がない。むしろ、法令の記述に統一をもたない、そして誤植などに責任を持たない、国の法情報サービスのありかたが問題である。
また、改正法が成立しているがまだ施行されていない分については、当該法令の「最終改正までの未施行法例」を参照して、前のエントリのように読み替える必要がある。

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府中市美術館、GRD2

一方、六法アプリは物書堂『模範六法』が先行していて、私はこれを使って来た。
『模範六法』の収録法令数は414件、三省堂の冊子体(書籍)の『模範六法』と同じなので、平成20年9月1日現在の法令(法令現在という)が収録されており、『パーフェクト六法』のように、ソースの「法令データ提供システム」が更新されれば最新の条文に更新可能というものでもない。
しかし、限られた画面の広さを有効に使うために編、章、節、款のツリー構造に分けて参照できることが、法律の体系性を意識させることになって大変具合がよい。これは書籍の六法ではなかったメリットだ。

最近のエントリで紹介しているように、いま私は、法律書の校正ではiPhoneの『模範六法』で条文をがんがん引きまくっている。検索機能が充実しているのもメリットだ。

私は今後、メインはやはり『模範六法』、補完するものとして『パーフェクト六法』を使っていくことになるだろう。それにしても法令検索が全部iPhoneですむ。書架いっぱいの加除式法令集に当たっていた頃から考えれば、「夢の世界」が始まるのだ。

『パーフェクト六法』は、日本法リーガル・リサーチの基礎がわかる人ならば縦横無尽に使いこなせるだろう。しかし六法を使い慣れていない人は、とりあえず紙の六法から入門することをすすめる。その法律の全体像、ひいては法体系全体の中の「その法律」の位置づけがわかりやすいからだ。
それに慣れた頃、『パーフェクト六法』や『模範六法』の真価が理解できるだろう。

December 15, 2009

復刻エラボーのキャップについての小ネタ

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取材で相手の話をメモに取ろうとエラボー復刻版のキャップを外したところ、手元で「かろん」と音がした。
見ると、キャップの口についている、メッキされた銀のリングが外れていた。
キャップはねじ込み式だが、リングにはネジが切られているわけでもなく、ただの飾りだ。押し込んで戻しておいたが、ペンケースの中で勝手に外れて転がっていたりするのである。何となく機嫌が悪くなる。

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*外れたリング。真ん中にある段の上の部分が「のりしろ」。

リングを観察すると、「のりしろ」に薄く接着剤の跡がある。単に接着されているだけの構造なのであった。
これだと、他にもリングが外れている人がいそうである。

というわけで、リングの直し方。
透明のゴム系接着剤を買ってくる。それを「のりしろ」部分に、ごくごくうすーく伸ばす。
すぐつけてはいけない。そのまま2,3分待つ。
しかるのち、キャップに押し込む。

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*接着剤は透明のゴム系ボンドがおすすめ。安いしね。

その時に接着剤がはみ出すかもしれない。
慌てずに、残った乾きかけの接着剤で玉を作り(接着剤がおろしたてでなければ、チューブの口にはみ出した接着剤が半乾きでついているはずだ。それを使えばよい)、はみ出したところでころころと転がすと、きれいにとれてしまう。
ゴム系接着剤はこういう技が利くのでよい。
瞬間接着剤だと、硬化する反応で銀の部分が白く濁ってしまうことがあるのでおすすめできない。

これでもう、半永久的にリングは外れないであろう。
あんまり、こういうぶっといリングは好みではないのだけれどね……。


December 13, 2009

法律書籍の校正とリーガル・リサーチ(その2)

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GRD2

校正を進めると、法令のほかに「判例」がたくさん出てくるので、そのチェックをしなければならない。文中に出てくる判例の出典に間違いがないか、その文章の中で説明されている内容で間違いないかをしこしこと調べるのである。

「判例とはなにか?」と問われて、一言で答えるのは実はむずかしい。
ある見方でいえば、「裁判の判決のうち、後の裁判の参考になるようなもの」とでもとりあえずしておこう。くわしい話は別のところですることにしよう。

冊子の形になっている判例集は、公式のものとしては「最高裁判所判例集」「高等裁判所判例集」「知的財産権裁判例集」などがあり、ほかに民間の出版社が出している『判例時報』『判例タイムズ』という「判例雑誌」がある。このふたつの雑誌はいわば「判例の総合雑誌」で、そのほか金融関係や家事事件関係など、専門分野ごとに判例を扱っている雑誌がいくつかある。

作業は、判例が出てくるごとにその判例集を探して、ページをめくって判決年月日、裁判所、判決の内容を確認するというもの。万歩計をつけてみたところ、実働7時間で30坪の資料室の中を1000歩は歩いていた。

電子化してないのかって? してるのですよ。
裁判所ホームページの中に「判例検索システム」というのがあって、地裁、家裁、簡裁レベルの主要な判決が掲載されている。
ところが、前に説明した判例集のデータは全て入っているかというと、全然足りない。特に過去の判例は圧倒的に少ない。『判例時報』『判例タイムズ』は、掲載判例を裁判官からなる編集委員会で選定しているものの、民間の出版物だから、判例検索システムをオーソライズしている最高裁の関知するところではない。
大規模弁護士事務所やロースクールを当て込んで、いくつかの会社から判例データベースができているが、当然ながら契約料はすごく高い。データはテキストで提供されページの概念がないので、結局のところ紙ベースの判例集でないと、書籍や論文の出典情報としては使えないのである。いきおい狭い部屋のなかをうろうろと歩き回って、本をばたんばたん開いたり閉じたりすることになる。つまりは二重構造なのである。

裁判所の「判例検索システム」には隠れた問題があって、いったん載った判例が、ある日突然消えていたりするのである。総務省「法令データ提供システム」と同様、内容・掲載の基準などについて何の保証もない。問い合わせたところ、最高裁はだんまりを決め込んだが、別のある裁判所から「これは便宜のために提供してあげているものなので、消したりとかありえますョ」という非公式な回答を得たことがある。

北海道大学大学院法学研究科の町村泰貴教授が、「判例は“こういう裁判でどんな結果が出るか”というバロメーターであり、国民にとって重要な指標になる」と指摘されていた。つまり、判例を一個引っ込めると、「こういうときはこうなる」という、法的安定性を構成する材料が1個なくなるということになるのだ。

裁判員制度は、司法に市民的コントロールを利かせるための制度としても設計されているのだそうである。最近の判例はともかく、過去にさかのぼって、判例に国民がアクセスできる基盤はまだ整っているとは言えない。裁判の指標である判例の提供が偏った形であり続けるならば、司法改革のひとつのテーマであるべきではないか。


December 12, 2009

法律書籍の校正とリーガル・リサーチ(その1)

いま、法律書籍の校正者としての仕事がある。
法律の書籍はいろいろあるが、基本的にはこのような構成だ。

法律の条文の意味
   ↓
その立法趣旨など、法律の作られた意図を解説
   ↓
条文の意味についての、さまざまな意見
   ↓
  裁判例
   ↓
筆者の考えをまとめる

それぞれの段階では、条文、判例、立法趣旨、学説など、今までに出た著作物を引用することで論理を組み立てて行く。校正とは、原稿に次々に出てくるこれらの資料の、それぞれのソースに当たって、間違いがないかを調べる作業となる。

出版社の資料室を借りて作業に着手した。
30坪ほどの地下室だ。まず資料室の見取り図を書き、どの資料がどこあたりの棚にあるかを把握する。これは編集者になりたてのころ書店研修で行った池袋旭屋書店で教わったことだ。一度見取り図を描いておけば棚の配置が頭に入る。

■正しい法律の条文とは何か
条文は六法に書いてある。ただし、六法刊行後の最新の条文については、自分で調達しなければならない。総務省の「法令データ提供システム」にアクセスすると最新の条文を見ることができるが、施行がまだのものについては、毎日発行されている官報に当たることになる。
官報には、六法のように改正された新しい条文が丸ごと載っているわけではない。
「○○法の一部を改正する法律」
という「改正法」が官報に載る。その内容はこうだ。
「○○法第○条「……」を「****」とする。」
改正箇所ごとに、これが延々と続くのをひたすらに引き写す。業界の符丁では「溶かし込む」という。

Kanpo
*上の段の官報の内容を、既存の条文に「溶かし込んだ」結果が下の段になる。

もうひとつ、「法令データ提供システム」には問題があって、「誤植などの責任は負わない」と明言していることだ。実際に今回の仕事に関係する法律に誤植を発見している。鵜呑みにするのは危険だ、ということになる。いきおい、疑問があったら官報に戻るということになる。

官報も印刷物であるから誤植がある。その場合どうするか。
「これが正しいんだろうな」と勝手に直してはいけない。

以前、六法の編集部にいたころ教わった方法はこうだ。
・まず、しばらく黙って待つ。すると何日か後の官報に訂正が出るかもしれない。
・締切が迫ってきて待てなくなったら、問い合わせてみる。
・そして、待つ。すると何日か後の官報に訂正が出るかもしれない。
・もし、それでも直らなかったら、誤植のまま六法を出すのが原則。

これほど、日本の法律における官報の正統性というのは強いしばりがかかっている。どこかに「これこそが正しい法律の条文だ」というのがなければ、世の中は混乱に陥ることになるかもしれない。それを官報が引き受けているのだ。
(つづく)

November 29, 2009

GR Lens A12 50mm F2.5 Macroはすごい(リコーGXR続報)

Ricoh
GRD2

「カメラ交換式カメラ」(と私は勝手に呼んでいる)リコーGXRの発売日が、12月18日に決まった。
同時に、量販店などの店頭にサンプルが展示され、手に取れるようになっている。
そこで、少しじっくりとGR Lens A12 50mm F2.5 Macro付きのGXRを触ってみた。
その感想を書いてみたい。
ただし、店頭サンプルもまだ製品版ではないことに注意が必要だ。3週間もあれば、もう少し追い込む余地はありそうだ。

・解像感は抜群
かなりくっきりと描写する印象。それでいて、輪郭強調的な処理をあまり感じさせない。
・レンズの収差がきっちりと押さえ込まれている
周辺で像が流れることは皆無。換算50ミリの焦点距離であることも相まって、歪曲はほとんど見られない。直線だけで構成されるモノを撮ったとき、ぴしっと写るので、とても気持ちがいい。
・ぼけがきれい
光源が入ったときの円形ボケの美しさについては前に触れたが、背景もふんわりとぼける。ポートレートに向いている。
・ブルーの発色は自然
これはRING CUBEでのワークショップでも塙真一氏が指摘されていたが、ブルー、つまりシアンからマゼンダにかけてのデジカメ特有の蛍光が入ったような、必要以上に鮮やかな発色は、皆無といえないまでもよく抑えられている。クセのない描写だ。逆に、オリンパス・ブルーのような鮮やかな発色を望む人には物足りないかも知れない。
・イエローに敏感
反面、イエローについては、レモンイエローに近い、明度の高い発色を示す。イエロー成分が入った色はおしなべてやや明るめに写る傾向があるが、それにつれて影響されるのが赤色だ。「金赤」と呼ばれるイエロー100%+マゼンダ100%の鮮やかな赤色——雑誌の世界では、クリスマスからお正月号にかけて多用されるおめでたい赤——は、さらに明るく発色する。朱色はオレンジ傾向の色味がかかり、黒が入った赤(暗めの赤)はそれほど変わらない。
この傾向は好き好きだと思われる。もっとも私が試したのはJPEGのみであり、RAWでは発色傾向が若干異なるという話もあるので、そのあたりの評価を待ちたい。
・良好な高感度特性
ISO800ならば、ほとんど画質の劣化が気にならないレベルに達し、1600でも実用の範囲だ。これはGR使いとしては大きな魅力だ。シンポジウムや発表会、ホテルの宴会場などの取材では1600ぐらいまで欲しいことが多いので、もう少し高感度特性を高めてくれると助かる。
・オートフォーカスはもう一段のリファインがほしい
E-P1同様、いったん行きすぎてから戻しの微調整を行ってピントを合わせる方式。行きすぎる量が多いように見えるので、もたつき気味と感じてしまうが、戻りのステップで最終的に合焦するときには加速したようにピッ!と合う感じだ。
・マクロは精密
その動作がユーザーにわかりにくいGRやGXと異なり、一眼レフのマクロレンズ、たとえばニッコール55ミリf2.8macroの動作に近く、マクロ領域に入るとぐっとレンズが繰り出される本格的な造りだ。
・マニュアルフォーカスは使いやすい
よくできている。背面液晶でも十分ピント合わせが可能だ。RING CUBEに展示のEVFでも問題がなかった。私はかなり強い近視と乱視が入っているが、EVFの視度調節で裸眼での使用が可能だった。一眼レフよりも調節レンジが広くとってあるのかもしれない。
ピントリングは回しやすいが、中でモーターが回っているような感触を感じる。ピントリングの回転に合わせてモーターが合焦させているのかも知れない。決して不快な手応えではない。その真価は、マクロ使用時により発揮されると考えられる。
・シャッターまわりの感触は良好
シャッターボタンを押してからシャッターが切れるまでのタイムラグは、GRDのピント固定によるタイムラグの短縮よりもわずかに遅い印象だが、その差はほとんどない。シャッターボタンの感触も良好。
レンズシャッターは、切れるときに小さく「パチュン」という、やや高めの音がするが、不快ではない。たしかにEP-1の、ライカなど昔のレンジファインダーカメラのシャッター音をさらに洗練したようなフォーカルプレーン幕の走行音はよいが、シャッターショックをわずかだが感じる。その点、GXRのレンズシャッターはショックレスである。

Dsc_5234
D300 AF-S DX VR Zoom-Nikkor 18-200mm f/3.5-5.6G

カタログなど商品写真を見ると、内蔵ストロボ収納部や補助光発光部のある「おでこ」の部分が広い感じがするが、実際に取り回してみるとまったく気にならなくなる(撮影するときは見ない部分だから当たり前だけど)。また、カメラユニットのつけ外しも剛性感があり、ガタはない。安心して使えそうだ。
触っていると、「何を撮ろうか」と思わせてくれるカメラだ。GRは毎日持ち歩いていて空気のように当たり前に使っているが、GXRはよりアグレッシブな気持ちにさせてくれそうなところがやや違う。
スナップカメラとしては、上出来なのではないかと思う。


November 28, 2009

出来のよくない子ほどかわいい「ポメラ」の新型(その2)

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*月島、GRD2


で、新しい「ポメラDM20」では、次のような機能が追加になっている。

・折り返し文字数の設定、文字数と行数表示
「○字○行詰め」。これは、ライターにとっては必須の機能だ。私の場合は下書きにポメラを使い、仕上げはMacで行っているので、欲しいとは思うが必須ではない。結局出典のチェックなどwebが必要になるので、外で仕事する際にもMacBook Airに移して仕上げている。ただ調べものならiPhoneで完全に代替できるようになったので、「ポメラ+iPhone」という組み合わせは今後あるかも知れない。

・定型文機能
報告書などに使い道があるのだろう。私には必要ない。

・CNTLとCAPSキー入れ換え機能
これはぜひほしい。

・QRコードを携帯で読み取り、文書を移す機能
これが面白いと思った。通信機能をもたずに「閉じた系」を形成しているポメラの構成要素のまま、新しい外部インターフェースを作ろうというこころみである。
3200文字までのテキストを変換して携帯に読み込ませることができる。ファイルの取り回しの悪さをブレークスルーしようというもの。ただしひとつのQRコードに対して200文字まで。仕方ないとは思うが。私の使い方では、iPhoneに移せたら、そこで加工したりMacに楽に移せるので理想だ。
iPhoneはデフォルトでQRコードに対応していないが、アプリで対応できるようだ。一方通行でなく、相互にファイルをやりとりできるようになると、「ポメラ+iPhone」で仕事を完結することができ、完全にノートPCがいらなくなるのだが……。

・エネループに最適化できる電源設定
待ってました。

このほか大きな基本機能の強化としては、メモリを大容量にしたため、1ファイルあたりの文字数が8000字から28000字に強化され、保存できる上限の文字数も48000字から280万文字まで、大きく増えた。

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勝鬨、GRD2

たしかに一文書8000字という制限は、かつて私が大学生の時に使っていたワープロ「東芝ルポ」みたいで、何じゃらほいという思いはあった。だからよいことなのだが、実は、メモリが足りなくて困った経験はいままでにはない。
たとえば単行本の作業で、一日10000字ぐらい書くことがある。字数制限が大幅に緩和されたのはありがたい。しかし、そういう仕事の場合にはあらかじめ構成をアウトラインプロセッサのomnioutlinerで用意するなど「下ごしらえ」がある。ポメラで完結する仕事にはならない。そう考えると、ポメラは、あくまで「下書きマシン」の位置づけを外れられないことになる。

テキストを「出す」ということに関しては、あっと驚く仕掛けで可能になった。
問題は「入れる」ことが少々面倒くさいということにある。「入り」も簡単にできると、手放せなくなるのだと思うが……。

 今回の機能強化は、「外で短いテキスト仕事を起こして完結させ、急いで記事を送信する必要があるライター」に照準を絞った感がある。新聞社などマスメディアの記者だと自社の辞書を入れたノートパソコンが支給されているので、イメージとしては新製品発表会に出席する記者やライターが対象といったところだろうか。けっこうニッチ狙いである。もしかしたら、開発者はそっち方面の「ユーザーの声」を聞き過ぎているのかも知れない。


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