東武ED5010(後期)のパンタカギ外しを杉戸高野台の保存機に見る
大変ごぶさたをいたしました。
2つ前のエントリのコメント欄で、「もと東武沿線ファン」さんからこんなコメントをいただいていました。
>鉄コレの5010後期型の前照灯後ろから出ているパンタ引き棒も、
>実は間違っているんですよ笑、前期は見ての通り前照灯の真後ろ
>から出てますが、後期型は、助手がわにありました四角い箱から
>引き棒が出ていました。
これは確認しなければならない。
ちなみに、パンタ引き棒とは、通常はスイッチ操作でパンタグラフの上昇・下降に用いているエアーが失われているとき(長期留置後など)に、パンタグラフを手動で上げる際に使うリンクの一部を構成するものです。
というわけで、杉戸高野台の西口広場近くの公園に保存されているED5020を見に行きました。
手前が1位側(浅草・池袋方)です。こんな具合に、かなり荒廃しています。屋根上をどうやって見るのか? よじのぼると問題になりそうだし、それを見越してか正面の扉左脇にあったステップは撤去されてしまっています。
そこで、2メートル30センチ長の自撮り棒を用意しました(笑)。右端に自由雲台をつけ、コンパクトカメラのリコーGRをねじ込んで、インターバル撮影を仕掛け、ノーファインダーで自撮り棒を差し上げて何とか撮ろうという作戦です(笑)。現行機種のGR2だとスマホに画像を転送してリモートコントロールで撮影できるのですが。ちなみに、ベンチの下の空き缶を捨てたのは私ではありません。写真を撮っているときには気がつきませんでした。
では早速。
1位側からパンタを見ています。センターから左、助手側の箱の右側面に穴が開いています。ここからワイヤーが伸び、右側の○で囲んだ直角のリンクにつながっています。リンクにワイヤーの切れ端が残っていますね。
運転台で紐を下方向に引くと、滑車で方向を変えたワイヤーが枕木方向左向きにリンクを引き、直角のリンクが今度は線路方向に手前に引く力となってパンタのカギを外してパンタを上げる、という仕組みになっています。
また、パンタ枠の右側に2本、パンタの上昇下降を司る空気管が車体に入っているのが見えます。木製のランボードが朽ちてしまい、逆に配管の入り方がよく見えます。
今度は2位側(日光・寄居側)から見ます。パンタカギ外しは全く同じ構造です。
パンタの右側、空気管とともに母線(高圧管)が入っているのが見えます。空気管は点対称ですが、母線は線対称(山側・西側)に入っていることがわかります。空気管・母線の配置は前期型と同じですね。
また、正面雨どい手前に小さな穴が開いていますが、ここには汽笛が取り付けられていました。いまでは失われてしまっています。汽笛は国鉄機関車のように真鍮磨きだしではなく、車体色に塗られていました。
もう一度1位側に戻り、パンタの左側を見ます。こちらは母線のみが引き込まれているのがわかります。
保存状態としてはけっこう悲惨ですが、屋根上の記録をとどめることができました。
もと東武沿線ファンさんのおっしゃる通りでした。どうもありがとうございました。
お返事が遅くなってごめんなさい。
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