東武電機のデッキ端梁警戒色は車体色か黒か
鉄道コレクションの東武ED5080が発売になって以来、ネットで「デッキ端梁の警戒色はイエローと車体色なのに、製品ではイエローと黒に塗り分けられている。間違いだ」という意見が散見されます。
たしかに、電機の活躍が最後の平成に入ってからの頃は、車体色のぶどう色2号とイエローの塗り分けでした。しかし、昭和40年代〜50年代は、黒と黄色に塗り分けられていたんじゃないかな〜という記憶があります。
あんまりカラーで撮っていないのですが、昔の写真を引っ張り出してみました。
まずこれ。
1983年1月に撮影したED4021です。このとき廃車されたばかりで、杉戸機関区に集められた姿。う〜ん、車体色と黄の組み合わせに見えるが……
1983年3月の撮影です。これは黒に見えると思いますが、どうでしょうか。
東武博物館に収蔵後。1990年に収蔵される前に再塗装が行われています。これは明らかに黒+黄に塗られています。
東武の電機の塗色はぶどう色2号ということになっていますが、国鉄のそれよりも黒が強く、ぶどう色1号に近いのではないかと思うぐらいで、なかなか黒と車体色の判別が難しい。『東武の鉄道車両90年のあゆみ 写真集』でも黒と車体色が混在しているように見えます。
ED5015の現役時代の写真の車体色と端梁警戒色部の色相をネットの判定サービスでチェックしてみるとやはり異なる色相として検出されました。ただ、あくまで参考値程度にとどめておくべきかなと考えています。
しかし、
これはJ・W・ヒギンズさんの『発掘カラー写真 昭和30年代鉄道原風景 東日本私鉄編』(JTBパブリッシング)。コダクロームで撮影された、非常に色再現性の高い一枚ですが、これは明らかに黒+黄ですね。68ページに掲載されているのでご参照ください。
「昭和30年代末から40年代にかけては黒+黄。50年代後半から電機が消えた平成にかけては車体色+黄」ということではなかったのではないかと考えます。
最後に。
これは貨物列車最末期の2003年に館林機関区で私が撮った写真です。悪天候でコンディションが悪いというハンデがあるのですが、これは黒+黄ではないかなあ……。各所を急いで撮る必要があったので、じっくり吟味している時間がなかったのが悔やまれます。
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