東武ED5010、さらなる前期・後期のディテール違い(パンタカギ外し編)
東上線貨物廃止直前、さよならヘッドマークをつけて貨物列車の先頭に立つED5010後期車ED5017。前回のエントリではED5015を掲載しましたが、坂戸機関区所属の前期車ED5012〜15が廃車されるのと入れ替わりにED5016、17が杉戸機関区から転属しました。最後に残ったのが下板橋の秩父セメント生コン工場へのセメント列車で、セメントばら積みのホキ5700と、袋詰めセメントを積んだ秩父鉄道のワキ800と秩父セメント私有車のテキ200が1両ずつ連結されていました。
大山駅を通過する下り返空列車。ED5016が先頭に立っています。
さて、「もと東武沿線ファン」さんから、ふたたびコメントをいただきました。
今度は、パンタグラフのカギを外して上昇させるリンクの出方についてです。
>前期は見ての通り前照灯の真後ろから出てますが、
>後期型は、助手側にありました。
>四角い箱から引き棒が出ていました。
まず前期。
赤丸の中です。室内で運転室後ろの引き紐を下げると、おそらく箱の上部にある軸が回転して、箱の外についた直角のリンクが引き棒を手前に引くことでパンタのフックが倒され、パンタが上昇する仕掛けです。後期車はどうなのか、さきほどのED5017の写真をもう一度見ると、
確かに助手側に箱が移されています。
鉄コレのモールドを見ますと、真ん中に「箱」がモールドされていて、どうも博物館の前期型を参考にしたようですね。場所的には青丸の位置ぐらいでしょうか。でも、Nではほとんど気にならないところですね。
ところで、パンタグラフのフックは、ちょうど台枠の中心についています。
この写真は、彦根の近江鉄道ミュージアムのイベントで、PS13パンタの構造を教えていただいたときのもので、フックの付き方がおわかりになると思います。東武ED5010前期型のように車体中心に引き紐があれば、まっすぐのリンクでいいのですが、後期型のように助手側に引き紐が寄っていると、屋根上に軸を1本つけて、車体中心に引き棒が来るようにしているのではないかと考えられます。私はそのあたりのディテールがわかる写真を撮っていないので、そこを解明する方法をいま、考えているところです。
細かいことなんですけどね。
「もと東武沿線ファン」さん、重ねましてありがとうございます!
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コメント
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参考になるかは、わかりませんが、後期型と同じ方式の鍵外し装置をとった車両があります。それは私鉄ではなく、なんと国鉄しかも電車で、クモヤ143,145です。多分、私鉄には、この方式の鍵外しは、同じ日立製の秩父にも、ないかとw秩父は東武の前期と、同じ方式ですね。東武の電機をHOで制作した時に、いろいろ調べた思い出です。輸入機以外は、全種制作しております。(日光軌道含む)やはり、5010は、かっこいいですね。スノープローが鋭角で滑らかな屋根、腰高なデッキ。5060が( ・∀・)イイ!!って人もいますが、私は5010かな(笑)
投稿: もと東武沿線ファン | 2016年7月14日 (木) 20時34分
久々の東武記事は、内容濃いですねえ~
マジ鉄ぶりを垣間見ました。
投稿: Cedar | 2016年7月19日 (火) 12時03分
もと東武沿線ファンさま
忙しくしていてお返事遅れました。
コメントありがとうございます。クモヤの屋根上、検索して見てみました。直角のリンクを使って方向を変えているんですね。杉戸高野台はいまデッキに上がるのも禁止だと思いますが、屋根上を見る方法を考えているところです。
ED5060はデザイン的に洗練されていると思います。でも、おっしゃるように私も5010のほうにより惹かれますね。電気機関車らしい、力強い塊感が好きですね。長いED5000も好きです。
模型作られているのですね。ぜひどこかでご披露ください!
投稿: 低N | 2016年7月20日 (水) 18時41分
Cederさん
コメントありがとうございます。Cederさんの世界も大好きなのですが、一部の対象にはこういうふうにこだわります。ついているものを再現するのではなく、機械として機能するように見たい、という感じでしょうか。
投稿: 低N | 2016年7月20日 (水) 18時42分