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2014年12月 2日 (火)

しずかに

大阪の方々には、先刻ご承知の話かもしれません。

市電の保存車両を見るのは、初めての経験でした。これは1928(昭和3)年に造られた1601形。東京都電よりはるかに早く大型化が図られた堂々たる車両。大阪空襲で焼け、外板を張り替えて復旧したそうです。
R0019636

ちょっと、不思議なものを見つけました。戦後も活躍した車両の正面左側の窓下に、
「しずかに」と書かれた表示が見えます。これ、どういう意味なんでしょう?
R0019636_2
バンパーの上に書かれた「乗降者横断優先」という自動車に対して書かれた表示は、東京都電はじめ他都市の路面電車でも見たことがあるのですが、「しずかに」は初めてです。しかも、図案化されている。何らかのキャンペーンをも伺わせます。

ちょうど居合わせたご同好の方に聞いてみました。「さあ、大阪のオバチャンの会話がうるさいから、“車内ではしずかに”という意味と違うかな」。

そうなんですか。
「いや、全然違います」
と、市交OBで路面電車・地下鉄に大変お詳しい宮武浩二さんに笑われました。

大阪市では街頭の宣伝放送がうるさいという苦情をきっかけに騒音を抑えようという機運が高まり、1958(昭和33)年から「町を静かにする運動」を市民運動ベースで展開しました。その運動のシンボルマークがこの「しずかに」というワッペンだったんですね。

この運動により、自動車のクラクションを「鳴らす義務」を定めていた道路交通取締法施行令が改正され、「鳴らさない」ことが標準と180度転換したというわけです。60年代日本映画の街頭シーンでは車のクラクションがたくさん鳴っていますが、あれは単なる効果音ではなかったんですね。

ちなみに、町を静かにする運動については、大阪市のページにいきさつが載っており、こちらには街頭の看板の写真が出ています。

その頃、大阪のオバチャンのしゃべりが騒音だと思われていたかどうかは、謎です。

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コメント

大阪出身のボクはもちろんよーく知ってます。
っていうか今も大阪市バスにはこのマークが付いてるように思うんですがきっともうないんでしょうね。
実はこれまでのぼくのイメージは
「市営交通はみなさんの迷惑にならんように静かに走ります」という自戒コピーでした。
これを見たドライバー諸氏に「静かにせえ!」って言ってるんですねえ。
ちょっと残念な思いもした緑木のフェスティバルでした。
それにしても「しずかに」を囲む丸とみおつくしマークを埋めた三角はなんでしょう?

しずかにわんわん様
緑木で保存されているゼブラ塗色のバスにはリアに「しずかに」マークがついていました。写真を撮っていたときには気づきませんでしたが。復活塗色にも「しずかに」マークが起用されていますので、街中で見ることもできます。

「しずかに」運動は、条例などで強制力をもってクラクションを鳴らすのを止めさせるのではなく、市民運動としてモラルの向上に期待する、という趣旨だそうで、そこに洗練を感じないでもありません。時代の読み方として、いろいろな解釈があると思います。

マークの意匠ですが、何でしょうね。トンネルの中をゆくレールか道のようにも見えますが。悪くないですね。

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