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2014年11月30日 (日)

3本ポールの電気機関車

宴の続きです。

Gr012110
Cederさんの紙袋から、見たこともない電気機関車が登場!

2軸ボギー台車が4つもついています。駆動軸が8つですから「EH」。なぜ?
「最初はEDだった機関車を、パワーを強くしたくて台車を増やした」らしいのです。
これは、実物に例があるのだそうです。

Gr012109
Chitetsuさんが、機関車を手に感嘆しています。
左上で口が「ほう」と言っていますね。

屋根には電気を集電するトロリーポールが3本ついています。
「なぜ3本なんですか?」
Chitetsuさんが聞きました。

いま、トロリーポールを使っているのは明治村で動態保存されている京都市電と、あとは観光用に残っている鉱山鉄道ぐらいかと思います。

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写真のように、京都市電は1本。架線からプラスの電気を取り入れ、制御器を通してモーターを回し、その後電気は車輪からレールに抜けて、変電所に帰っていきます。これがマイナスの電流になります。これは、いまのパンタグラフから集電している直流電車と、まったく同じ仕組みです。
草創期の東京市電は架線を2本並べて張って、ポールを2本上げていました。これは、レールに流れる電気が地中に漏れて伝わり、水道管の鉄管を腐食させることが懸念されたため、マイナスの電気をレールに流さないためにプラスとマイナス2本の架線を引いたからです。
でも、その場合はポールは2本、または方向別に用意して4本となります。

Cederさんの答えは意外なものでした。
「低い電圧の架線でモーターをたくさん使うので、ポール2本で集電していたのです」

なるほど。思い出したことがあります。
11月8日に、大阪市交通局の緑木検車場の公開イベントがあり、行ってきました。
お目当てのひとつは、御堂筋線創業時、昭和8年に造られた100型電車の公開です。

R0019654
当時の技術の粋を尽くした、日本一立派な電車と言われました。かっこいい。朝ドラの「ごちそうさん」にも出ましたね。元市交の技術者で、市営地下鉄のオーソリティである荻野基さんにご案内いただき、見学しました。
そのときに質問したのです。
「制御器が当時の標準のものより一回り大きいように思うのですが、なぜですか?」
制御器とは、電車に取り入れた電気の量を調節し、モーターの回転数を調整するための機械です。

Gr011757_1
お答えはこうでした。
「750Vの低い電圧で、大きなモーターを動かすので大電流が流れます。そのためです」。
床下に制御器をもたない路面電車は、運転台の制御器で直接ハンドルを回し、流れる電気の量を調節します。ですから、直接架線の電気が入ってくる路面電車の制御器は、床下の制御器をリモコンで動かす仕組みの普通の電車よりも、やはり大きいのです。
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(明治村で動態保存されている京都市電のイングリッシュ・エレクトリック製制御器)

つまりCederさんの機関車は、電圧の低い架線から電気を取って8個のモーターを動かすため、1本の架線から同時に2本のトロリーポールで集電するという「本当にあった物語」を表現されているわけです。

模型の奥は、なかなかに深いですね。


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コメント

いきなり、ええ記事やないけ〜〜!

まあ、ぼちぼちと。

拙作をご紹介いただきありがとうございます。
ムカデ電機のポールは3本(中央のは貨車入れ替えなどで逆ポールでも走れるように先端がホィール=車になってる)最後は4本になりました。

Cederさん、コメントありがとうございます。
真ん中だけがホイールということは、両端のポールにはスライダーがついていたのでしょうか?
最後は4本になったということは、ポールの転向の手間を省いたということでしょうね。あの屋根の面積で4本ポールにすると、ポールがからまないか?とも思ったのですが(笑)。

そうなんです。アメリカのインタアーバンは高速運転のためにスライダーが多いです。日本では京阪京津線がスライダーで、京津線パンタ化後はその部品が叡電に譲られました。

ありがとうございます!
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